「もしも」は、いつ来るかわからない。千歳会の避難訓練から考える“暮らしを守る備え”
令和9年初旬の開設に向けて準備を進めている、社会福祉法人敬成会 特別養護老人ホーム「いちじくの里」。
新しい施設の開設準備というと、建物や設備、職員採用、ご入居者をお迎えする準備などに目が向きます。
しかし、安心して暮らしていただける施設をつくるためには、もう一つ欠かすことのできない大切な準備があります。
それが、災害への備えです。
今回は、同じ日本医療福祉グループである社会福祉法人千歳会の各施設で行われている避難訓練の様子をご紹介します。

「もしも」を想定して、実際に動いてみる
高齢者施設には、車いすを利用されている方や歩行に支援が必要な方、ご自身だけでは状況を判断して避難することが難しい方など、さまざまなご入居者が生活されています。
そのような中で火災や地震などが発生したとき、職員はどう動くのか。
誰が状況を確認するのか。
誰がご入居者の避難を支援するのか。


どのように職員同士で情報を共有するのか。
頭の中で分かっていることと、実際に身体を動かしてできることは、必ずしも同じではありません。
だからこそ、実際の災害を想定した訓練を繰り返すことが大切になります。
千歳会の各施設でも、それぞれの建物やご入居者の状況を踏まえながら、避難訓練を行っています。
暮らしの場所だからこそ、「日頃の備え」を
特別養護老人ホームは、ご入居者にとって一時的に利用する場所ではなく、毎日の生活を送る「暮らしの場所」です。
朝起きて、食事をして、好きなことを楽しみ、夜になれば自分の居室で休む。
そんな当たり前の日常を守ることも、私たち福祉施設の大切な役割です。
災害は、「今日起こる」と事前に教えてくれるものではありません。
昼間、多くの職員が勤務している時間に起こるかもしれません。
反対に、職員の人数が少なくなる夜間に発生する可能性もあります。
だからこそ、さまざまな状況を想定し、
「もし今、火災が起きたら?」
「もし夜間だったら?」
「このご入居者を安全に避難していただくには?」
と、日頃から考えておく必要があります。
避難訓練は、その答えを確認するための大切な機会でもあります。
訓練をするからこそ、見えてくることがある
避難訓練の目的は、決められた手順を確認して終わることだけではありません。
実際に動いてみることで、
「ここはもう少し連携が必要だった」
「この方法では時間がかかる」
「職員同士の情報共有をもっと分かりやすくしたほうがいい」
など、訓練をしなければ気づかなかった課題が見えてくることがあります。
そして、その気づきを次の訓練や日頃の備えに生かしていく。
訓練して、振り返って、改善する。
その積み重ねが、いざというときの行動につながっていくのだと思います。

いちじくの里にも受け継いでいきます
「いちじくの里」は、これからスタートする新しい施設です。
新しい建物、新しい設備、そして新しく集まる職員。
何もかもが新しいからこそ、開設したその日から安心・安全な施設運営ができるよう、準備を重ねていかなければなりません。
同じ日本医療福祉グループには、すでに多くのご入居者の暮らしを支えている施設があります。
そこで日々行われている避難訓練をはじめ、事故防止や感染症対策など、これまで積み重ねてきた経験や取り組みは、これから開設するいちじくの里にとっても大切な学びです。
新しい施設だから、一からすべてを考えるのではなく、グループの施設が培ってきた経験を学び、いちじくの里の環境に合わせて生かしていく。
それも、同じグループだからこそできる施設づくりだと考えています。
「何も起こらない毎日」を守るために
避難訓練は、華やかな取り組みではないかもしれません。
しかし、ご入居者の命と暮らしを守るためには欠かすことのできない取り組みです。
災害が起こらず、いつも通り朝を迎え、いつも通り食事をし、いつも通り笑って一日を過ごす。
そんな「何も起こらない毎日」こそ、とても大切なものです。

そして、その当たり前の毎日を守るために、私たちは「もしも」に備え続けます。
令和9年初旬の開設に向けて準備が進む、特別養護老人ホーム「いちじくの里」。
建物を完成させるだけではなく、安心して暮らせる場所をつくること。
千歳会をはじめ、日本医療福祉グループの各施設が積み重ねてきた経験から学びながら、ご入居者、ご家族、そして地域の皆さまに安心していただける施設を目指して、開設準備を進めてまいります。