おしゃれだけでは決めません。いちじくの里の本気の設備確認
令和9年2月の開設に向けて準備を進めている、埼玉県川島町の特別養護老人ホームいちじくの里。
建設工事が進むなか、私たち開設準備メンバーも、図面や資料だけでは分からない細かな部分について、一つひとつ確認を重ねています。

今回確認したのは、建物全体の印象を決める外壁の色のサンプルと、ご入居者の安全な生活を支えるトイレの手すりの位置です。
一見するとまったく異なる確認事項ですが、どちらも、ご入居者やご家族、地域の皆さまにとって安心できる施設をつくるための大切な工程です。
施設の第一印象を決める外壁の色
建物を訪れたとき、最初に目に入るのが外観です。

外壁の色は、施設全体の雰囲気や印象を大きく左右します。
今回の打ち合わせでは、実際の外壁材のサンプルを並べ、色味や質感を確認しました。
サンプルで見る色と、建物全体に使用したときの見え方は必ずしも同じではありません。
小さな見本では落ち着いて見える色でも、広い面積に使用すると明るく見えたり、反対に濃く感じられたりすることがあります。また、晴れた日と曇りの日、朝と夕方でも、光の当たり方によって印象が変わります。
そのため、単純に「好きな色」を選ぶのではなく、周囲の景観との調和や建物の大きさ、長く親しまれる色であるかなど、さまざまな視点から検討しました。
いちじくの里が建設される川島町には、広々とした田園風景や豊かな自然があります。
その環境のなかで建物だけが目立ちすぎることなく、地域の風景になじみながらも、温かさや明るさを感じられる外観にしたいと考えています。
施設は、ご入居者にとって毎日を過ごす大切な住まいです。
ご家族や地域の皆さまにも、「入りやすそうな施設だな」「落ち着いた雰囲気だな」と感じていただけるよう、親しみやすい建物を目指していきます。
数センチの違いが、安全性を左右する手すりの位置
続いて確認したのは、トイレに設置する手すりの位置です。
高齢者施設において、トイレは日常生活のなかで特に安全への配慮が必要な場所の一つです。

立ち上がるとき、便座に腰を下ろすとき、身体の向きを変えるときなど、さまざまな動作のなかで手すりを使用します。
手すりは、ただ壁に設置すればよいというものではありません。
高さが合わなければ十分に力を入れることができず、便器との距離が遠すぎると手が届きにくくなります。反対に近すぎると、動作や介助の妨げになる場合もあります。
今回の確認では、実際の動きをイメージしながら、便器と手すりとの距離や高さ、立ち上がる際につかみやすい位置などを確認しました。
ご入居者の身体状況は一人ひとり異なります。
手足に力が入りにくい方、片側に麻痺のある方、車いすを使用される方、職員の介助を受けながら移動される方など、必要な支援もさまざまです。
だからこそ、可能な限り多くの方が使いやすく、職員も安全に介助できる環境を整える必要があります。
わずか数センチの違いであっても、ご入居者の使いやすさや安心感に大きく影響することがあります。
図面だけで判断するのではなく、実際の生活場面を想像しながら確認することを大切にしています。
介護する側の使いやすさも大切に
設備を検討するときには、ご入居者の安全性だけでなく、介助を行う職員の動きやすさも欠かせません。
介護職員が無理な姿勢で支援を行うと、職員の腰や身体に負担がかかり、結果として安全な介助が難しくなることがあります。
車いすをどの位置まで近づけられるのか。
介助者が横に立つスペースは確保されているか。
手すりが介助の妨げにならないか。
緊急時にも安全に対応できるか。
このような点を確認し、ご入居者と職員の双方にとって使いやすい環境を整えていきます。
ご入居者に質の高い介護を提供するためには、職員が安心して働ける設備や環境づくりも大切です。
一つひとつの確認が、未来の暮らしにつながります
外壁の色と、トイレの手すりの位置。
外から見える部分と、日常生活のなかで使う部分という違いはありますが、どちらにも共通しているのは、利用される方の姿を想像しながら決めることです。
完成した建物だけを見ると、外壁の色も手すりの位置も、初めからそこにあったもののように見えるかもしれません。
しかし、その背景には、設計や施工に関わる皆さまとの話し合いや、何度も重ねた確認があります。
「この色なら地域の景色になじむだろうか」
「この位置なら安心して立ち上がれるだろうか」
「車いすを使用する方にも使いやすいだろうか」
一つひとつ考え、確認しながら、いちじくの里の建物は少しずつ形になっています。
私たちがつくっているのは、単なる建物ではありません。
ご入居者が食事をし、眠り、笑い、毎日を過ごす大切な生活の場所です。
ご家族が安心して訪れることができ、職員が誇りを持って働き、地域の皆さまにも親しんでいただける施設を目指しています。
開設までには、まだ多くの確認や準備が続きます。

今後も、建設工事の進捗や設備選び、開設に向けた準備の様子を、ブログを通じてお伝えしてまいります。
少しずつ完成へと近づいていく特別養護老人ホームいちじくの里を、どうぞ楽しみにお待ちください。